情報漏洩事件が後を絶たない昨今、自分の個人情報がどこかで流出していないか、不安に思ったことはありませんか?そんなときに役立つのが、世界中で利用されている無料の情報漏洩確認ツール「Have I Been Pwned(ハブ・アイ・ビーン・ポーンド)」です。本記事では、初心者の方でも迷わず使えるように、「Have I Been Pwned」の使い方から、漏洩が見つかったときの対処法までをわかりやすくご紹介します。Have I Been Pwnedとは?安全に使えるの?サービスの概要と重要性「Have I Been Pwned(HIBP)」は、メールアドレスやパスワードが過去の情報漏洩事件に含まれていないかを簡単に確認できる【無料】のウェブサービスです。2013年にオーストラリアのセキュリティ専門家Troy Hunt(トロイ・ハント)氏によって立ち上げられました。「Pwned」とは「owned(所有された、やられた)」から転じたインターネットスラングです。「Have I Been Pwned?」を日本語に訳すと「私はやられた?」「私の情報は漏れた?」という意味になります。なぜこのサービスが重要なのか一度漏洩した情報がダークウェブ(通常のブラウザからはアクセスできない闇のインターネット空間)で取引され、悪用される危険があるからです。2025年5月現在、HIBPには883件の流出サイトと149億件を超える漏洩アカウント情報が登録されています。Yahoo!やLinkedIn、Adobe、Dropbox、Facebookなど大手サービスでも過去に情報漏洩が発生しており、その影響は私たち一人ひとりにも及んでいます。どんな情報を確認できるの?確認できるのは主に以下の情報です。メールアドレスの漏洩履歴パスワードの漏洩履歴(SHA-1形式のハッシュ化されたパスワード)どのサービス・サイトから漏洩したか漏洩の内容(メールアドレス、パスワード、IPアドレスなど)「Have I Been Pwned?」の具体的な使い方4つを詳しくご紹介します。Have I Been Pwnedの使い方使い方①:メールアドレス編1.HIBP公式サイト(https://haveibeenpwned.com)にアクセス2.検索窓にメールアドレスを入力して「Check」をクリック3.結果を確認Good news — no pwnage found! → 漏洩履歴なし(安全)Oh no — pwned! → 情報が漏れている。どのサービスから流出したか一覧表示されます。使い方②:パスワード編1.HIBP公式サイト(https://haveibeenpwned.com)より「Passwords」選択2.パスワードを入力(SHA-1形式で照合)して「Check」をクリック3.結果を確認Data Breaches → 漏洩履歴なし(安全)Oh no — pwned! → 情報が漏れている。どのサービスから流出したか一覧表示されます。使い方③:漏洩が確認された場合の画面の見方漏洩していた場合、以下のような情報が表示されます。漏洩したサービス名(例:Adobe, Dropboxなど)漏洩日時漏洩内容(メールアドレス、パスワード、IPなど)どの情報が流出しているのかを把握し、対応の優先順位を決めましょう。使い方④:通知設定(Notify me)の登録編メールアドレスを登録しておくと、今後そのアドレスが漏洩した際に通知を受け取ることができます。登録手順が以下の通りです。1.トップページから「Notify me」へ進む2.メールアドレスを入力し、「Notify me」をクリック3.確認メールを受信・承認これで、漏洩の早期発見が可能になります。漏洩が見つかったらどうする?今すぐやるべき対処法1. パスワードを変更する漏洩したアカウントはすぐにパスワードを変更しましょう。特に、同じパスワードを他でも使い回している場合はにはすべての該当サービスで変更が必要です。2. パスワードマネージャーを活用する1つ1つ異なるパスワードを覚えるのは大変です。「パスクラ」「1Password」「Bitwarden」「LastPass」などのパスワードマネージャーを活用しましょう。3. 二要素認証(2FA)を設定する不正ログインを防ぐには、2FAの設定が有効です。認証アプリ(Google Authenticator、Microsoft Authenticatorなど)を使用すれば、セキュリティが格段に高まります。4. 他サービスへの使い回しを見直す1つの漏洩が芋づる式に被害を広げないよう、メールアドレスとパスワードの組み合わせを使いまわさないことが基本です。その他の便利機能と注意点オプトアウト機能とは?自分のメールアドレスがHIBPで検索できないようにする「オプトアウト」も可能です。特別な事情で公にされたくない場合などに検討してもよいでしょう。企業向けの活用方法企業は自社ドメインを登録し、社員のメールアドレスに対する漏洩チェックができます。セキュリティ教育にも活用できます。定期的なチェックのすすめ一度確認して終わりではなく、数か月に1度は定期的に確認する習慣を持つことが大切です。漏洩は後から発覚するケースも多いため、継続的な対策が重要です。今すぐ確認して、情報漏洩から自分を守ろう「Have I Been Pwned」は、メールアドレスや電話番号を入力するだけで簡単に情報漏洩を確認できる、非常に有用なツールです。万が一漏洩が確認された場合も、この記事で紹介した対処法を実行することで、被害を最小限に抑えることができます。まずは一度、ご自身のアドレスや電話番号で確認してみてください。早期発見と迅速な対処が、あなたの情報を守る最良の手段です。